修繕費というのは、賃貸住宅を退去する際に原状回復するために必要な費用です。ちなみに私も若い頃退去する際に、敷金が全部修繕費に充てられて返金額がゼロでした。これには、今でも不満に思っています。不満に思ったところで、泣き寝入りせざるを得ないというのがこれまでのパターンでした。ところが近年、このトラブルが頻発するのでガイドラインもできました。ここではそんな修繕費をめぐるトラブルについてご紹介いたします。
目次
修繕費負担をめぐるトラブルとは?
修繕費トラブルとは敷金をめぐる返還トラブルのこと
修繕費負担をめぐるトラブルとは、つまりは部屋を借りる際に支払った敷金の返還トラブルのことを指します。要するに入居時に支払った敷金が、全然返還されないとかこれだけ!といった借主の不満です。確かに、年間100万件相当の退去者があるといわれている不動産業界なので、こうした退去時にトラブルが起きないワケがありません。
具体的には、退去時のハウスクリーニング代やクロス・畳の張替え等の費用を敷金から差し引かれるというケースです。最悪のパターンでは、敷金が返還されないどころか敷金をオーバーしてしまうというケースです。もしそんな事態にでもなれば、ヤクザが組抜けするのに何らかのケジメを付けさせられるのと同様に、退去費用をボッタクられたという被害者意識も強くなるかもしれませんね。
退去費用を請求されるケース
今日では、あまりにも退去時に借主と貸主との間で修繕費をめぐるトラブルが多いので、国からもガイドラインが設けられています。しかしながら、ガイドラインは法律ではないので貸主が把握しているとは限りません。ちなみにガイドラインによると故意や過失による損傷個所がなければ、修繕費用は発生しないという内容になっています。
もう少し具体的に申しますと、フローリングを椅子で傷つけたとか壁紙に画鋲を貼って穴をあけた、あるいは壁紙やふすまを子供が汚したり破いてしまった等の過失による破損に関しては修繕費が発生します。しかしながら、経年劣化による損耗に関しては修繕費の範疇には入らないということになります。ところが実際には、そうした経年劣化による損耗に関しても修繕費が充当されたというのがこれまでの常識だったのです。
どう対処すればいいの?
トラブル時には「原状回復ガイドライン」の内容を申し立てる
原状回復には、借主と貸主との間に意識のズレがあるからトラブルが発生していました。そのため、そのトラブルを回避するための「原状回復ガイドライン」というのが国が提示することになりました。そのガイドラインに沿って、貸主に意見を申し立てるということが大切です。
すでに上述した内容と重複しますがガイドラインに沿った意見をもう一度申し上げます。例えば故意や過失によって壊した部分は、退去時にはもちろん原状回復する必要があるのです。一方、経年劣化による損耗に関しては、修繕費用として支払う義務はないのです。もっと具体的にいえば定期的にお掃除をしながら部屋を使っていた場合には、経年劣化による部分まで借りた当初に戻す必要はないという内容になります。そうなると普通に使っていれば、敷金の返還がゼロということはまずあり得ないでしょうね。
[国土交通省]http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000020.html
修繕費を安く抑える裏技
上述したような国のガイドラインについては、退去時のトラブルを回避するために設けられたものです。しかしながら、例えガイドラインに沿っているとはいっても法的な拘束力はありません。おまけに賃貸契約書に、「経年劣化の分も借主が負担する」と書かれていれば請求される可能性があります。
それから修繕費をできるだけ安く抑える裏技ですが、通常の使用範囲内であれば貸主負担となります。ところが退去時の印象を良くするために、台所の油汚れをキレイにふき取っておくとか汚れが目立たないようにしておくといったことは大切です。また壁紙に穴が画鋲の穴がある場合には、画鋲の穴が目立たないように埋めておくといったこともお勧めです。
まとめ
国からのガイドラインが明確に示されたとはいっても、やはり賃貸物件を契約する際にどの部分に修繕費が充当されるのかを借主のほうでも把握しておく必要があるといえるでしょうね。トラブルを回避するためには、その点はとても大切なことだといえます。
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